緊急事態宣言が出されて1ヶ月ちょっと。結婚式の延期や中止をするカップルが多くなり始めてから2ヶ月ほど経ちました。最初の頃は、これから結婚式を挙げる計画をする人は少なく、結婚式を元々計画していた夫婦の延期や中止ばかりでしたが最近はこれから結婚式を挙げることを計画するカップルも増え始め、新しいサービスも出始めるようになりました。その中でも、「オンライン結婚式」が最近プレ花の間でも世の中でも話題になり始めているので、従来の結婚式を挙げようとしていた花嫁としてオンライン結婚式について考えてみました。
オンライン結婚式とは
オンライン結婚式とはzoomやYouTubeなどオンラインでリアルタイムに動画を共有できるサービスを利用して結婚式の様子を配信する結婚式のことです。会場は結婚式場で行う場合も自宅などで行う場合もあり、クオリティや規模などは様々なようですが、参列者は自宅からパソコンやスマホで参加できます。
新郎新婦が自宅などで手作りして配信する場合もありますし、式場がプランとして準備しているパターンとがあります。式場に依頼する場合は数万円〜十数万円と予算を抑えられる点やコロナ対策として良いということで今話題になっています。
ウィズコロナ・アフターコロナの選択肢のひとつに
当分の間普通の結婚式は厳しそう
日本だけでなく世界が以前のような生活ができなくなってかなりの時間が経ちました。私は感染症の専門ではありませんが、恐らく数年は多少なりとも警戒して暮らす日々が続くことを考えると従来の結婚式を想定通りできる日は少し遠そうであると予想されます。
政府から新しい生活様式に関する発表もありましたが、「人との間隔を2mあける」「屋内ではマスクをする」という基本的な対策の時点で従来の結婚式をあげることは厳しくなってしまいます。
チャペルや披露宴会場で2m間隔を取ろうとすると人数によってはスペースが足りませんし、あまりしゃべらない挙式はともかく披露宴では会話が成立しません。新郎新婦も2m間隔ということになればなかなかシュールな画となってしまいます。集合写真を取ったり、余興をしたり、ケーキ入刀をしたりするのが結婚式の醍醐味なので、それを無くすと面白みがなくなってしまいます。私たち夫婦もデザートビュッフェをしようとしていたので、そういったこともできないのかと思うと悲しいです。
従来の結婚式の補助としてのオンライン結婚式
私たち夫婦はギリギリまで決行するつもりで結婚式の準備を進めていました。その中で、結婚式場からコロナが理由で欠席になってしまったゲスト向けに結婚式をオンライン配信してくれるという申し出をもらった時、とてもありがたく思いました。
結婚式直前の3月末ごろが、志村さんの訃報や緊急事態宣言に関する報道が出ている時期で一番騒ぎが大きくなっていた時期だったこともあり、欠席者が日に日に増えてしまい、祖父母の欠席まで広がってしまいました。結婚式場で結婚式をしたいけど、こういう状況になってしまったし一部のゲストであれば仕方ないかなぁと素直に受け入れられました。すべてオンラインにしてしまうのではなく、従来の結婚式の補助としてオンライン配信のサービスもあるとコロナに限らず、海外にいる人や病気で来られない人にも結婚式を楽しんでもらえる点は選択肢も増えてとても良いと思いました。
これから結婚式を計画するカップルの選択肢に
結婚式を計画した時にコロナのコの字も出ていない状況で結婚式の内容やゲストの人数を考えていた私たちと違ってこれから結婚式を挙げるカップルはコロナのリスクや新しい生活様式に関する状態を知っている状態で結婚式を計画することになります。そこで自らオンライン結婚式を選択することは時代背景にも合っており、コロナが心配なゲストからは歓迎されるものと考えられます。
また、これまでさまざまな事情で結婚式を挙げようとしなかったカップルでも、オンライン結婚式があることで結婚式をしようと思うカップルが増える可能性はあると思います。
例えば、
- ・経済的事情で結婚式を諦めていたカップル
- ・海外で挙式するけれど国内の友達にも見てもらいたいカップル
- ・病気で参加できないゲストがいるカップル
- ・新郎新婦自身が病気や怪我、妊娠などで身動きが取りにくいカップル
- ・結婚式にはあまり興味がなかったけれど、手軽であればお披露目しようかと思うカップル
延期組としてはオンライン結婚式には変えられない
オンライン結婚式そのものはメリットも多く、良いものですが、コロナ前から従来の結婚式を計画していた私達にとっては自分達の結婚式をオンライン結婚式に変更するというのは簡単なことではありません。
結婚式というのは飲み会のように簡単にキャンセルできるものではなく、結婚式までの日程にもよりますが、一般的には数百万円かかります。また、従来の結婚式を挙げようとしている夫婦は、単にウエディングドレスが着られれば良いとかなんとなくみんなに見てもらえればいいと思っているわけではありません。ゲストと過ごす結婚式場や料理にはものすごく時間をかけて拘って選んでいますし、ドレスもどれも同じ白い服ですが、素材や細かい刺繍などまでこだわって選んだり、人によってはオリジナルで作ったりしています。
なにより、結婚式を挙げようと考えている夫婦は、神聖な誓いの場であったり、新郎新婦の大切な人が一堂に会する場でお互いを紹介することに重きを置いているものです。
個人的には、ウェディングドレス姿を生で見てもらうことや、大切な人とみんなで再会すること。たった一人で子育てしてくれた母にベールダウンをしてもらってバージンロードを歩くこと、中座で祖父母と一緒に歩いて二人を抱きしめたりしたいと思っていて、それは従来の結婚式でしかできないことだと思っています。
ですので、すでに従来の結婚式を計画済の人に対して「オンライン結婚式に変更すれば?」という発言をするのは、「数百万円のキャンセル料金を払って新しくオンライン結婚式をしなよ」「あなた達が選んだ結婚式場やドレス、料理には興味ないからオンラインで十分。行くのも面倒くさい」「あなたの配偶者にあってみたいと思わないし、あなたの家族や他の友だちにも興味ない。写真もいらない。」と言われているように受け止められてしまう可能性もあります。
結婚式の計画は半年〜1年ほどかけて行うものなので、現時点では計画済のカップルが多く、数年はかける言葉に注意をした方が良さそうです。
オンライン結婚式が常識になって欲しくはない
従来の結婚式を否定してはいけない
好んでオンライン結婚式を挙げる分にはいいですが、従来の結婚式場で挙げることに憧れている人は少なくないはずです。そういった方に対して、「コロナが流行っていて危ないんだから結婚式をやるなんて非常識!オンライン結婚式にするのが常識でしょ?」みたいなことが求められたり言われたりするようにはなって欲しくないと思います。
日本では結婚式を挙げなくても結婚することができるので、「結婚式は飾り。やらなくてもいいもの。」というような風潮がありますが、国によっては結婚式を挙げることではじめて結婚できる国もあるようなので、言う相手によっては国の文化を否定することになってしまい、失礼どころではない話になってしまう可能性もあるので十分気を付ける必要があります。
オンライン化が進む今だからこその結婚式の価値
コロナが流行る前からSNSなどが発達していつでも誰とも連絡が取れる時代になっていました。そして、コロナが流行り始めてからは、オンラインミーティング・オンライン飲み会・オンライン授業などありとあらゆる物がオンライン化しました。
しかし、なんでもオンラインでできる時代だからこそ、懐かしい面々と直接会って話すことや食事をすることは貴重な機会で、その価値はむしろ高まっていると思います。LINEやSNSだと1対1か、ある程度人数が限られたグループで話すことになるので、なかなかゲスト全員といつも連絡を取っているわけではないと思いますし、結婚式をきっかけにまた付き合いたいから結婚式に誘う友達もいたりするかと思います。
なにより、新婦と新婦の家族や友人知人。新郎と新郎の家族や友人知人は連絡を取り合うことがあっても、新婦の大切な人と新郎の大切な人同士がコミュニケーションを取ることはよっぽど新郎新婦のコミュニティーが近くない限りは無いはずです。新郎新婦やお互いの大切な人を紹介できることが結婚式の価値の一つなのでそれは否定されたくないと思いましたし、オンライン結婚式では実現しにくい部分だと思います。
まとめ
自らオンライン結婚式を最初から計画する場合や、従来の結婚式の補助としてのオンライン結婚式はとても良いものと思いました。
一方で、コロナ前から従来の結婚式を計画していてすでに契約してしまっている人は経済的事情やゲストの事情、従来の結婚式への思い入れなどの理由で「後からオンライン結婚式に変えよう!」と変えるのはかなり難しいものと考えられます。また、コロナ流行後であっても従来の結婚式への憧れがある人や結婚式を挙げることが当然の文化の国の出身の人もいるので、「オンライン結婚式にすべき」といった偏った考えを押し付けることや発言することは避けた方が良いと考えられます。