結婚式を延期した時にかけてもらえて嬉しかった言葉・嫌だった言葉

結婚式

私達夫婦は2020年4月5日に結婚式を挙げる予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を懸念して翌年に延期しました。延期を決めてから、参列予定だったゲストの皆さんはもちろん、結婚式をすることを伝えていた人には延期の報告をしました。その際に、かけてもらえて嬉しかった言葉と傷ついた言葉がありました。全員、残念がってくれているし、ご本人の素直な気持ちなので悪気はないはずなのですが、当事者はとてもナーバスになっているので、当事者の感じ方を紹介したいと思います。

かけてもらえて嬉しかった言葉

○○のウェディングドレスを今、生で見られないなんて残念過ぎる!

これは大学の友人が言ってくれた言葉で、グループLINEで結婚式延期を伝えた後にお金の心配をして個人的に連絡をくれた時の言葉です。結婚式の延期や中止は数十万から数百万円のキャンセル料が発生するのですが、未婚でありながらいち早くそこに気づいてくれたという行動も嬉しかったのですが、この言葉が一番響いたのは「今」という言葉が入っている点です。 挙式まで9日というところで延期した身としては、挙式に対する気持ちも高まりきっていたので、 その時の気持ちを捉えてくれたことがとても嬉しかったです。

結婚式というのは、いつか挙げられれば良いのではなく、「今挙げたい」という気持ちが強いものなのです。例えば、本人の誕生日や付き合った記念日であったり、大安の日であったりと、何かしらその日がいい!という理由があることが多いです。人生で今が一番若いですし、産前の華奢な体でドレスを着たかったり、高齢の親族がいたりと「今」への想いが強いことに寄り添ってくれたことが本当に嬉しくて心が温まりました

きれいだよ!よくがんばったね!もう一度着られるように、ドレスは待ってくれているよ!

これは、大学の教授でもあり、インターンをしていたウェディングドレスのサロンのデザイナーの先生がかけてくれた言葉です。

Facebookでは写真付きで結婚式を挙げる予定だった日に報告をしたのですが、私が結婚式の延期を決断した時は、志村けん氏の訃報や非常事態宣言のニュースが飛び交い、一番騒ぎが大きかった時でした。一般的に延期をして日程を変更すると、選んだドレスを着られないことも多く、もうみんなにウェディングドレス姿見せることは叶わないのかな…と思っていたので、希望を感じられる一言でした。ドレスデザイナーというウェディングドレスに対して人一倍情熱のある方からのコメントだったことも大きいかもしれません。

○○の結婚式/ウェディングドレス姿、いつになってもずっと楽しみにしてるよ

これは割と多くの友人がかけてくれた言葉です。妊娠してしまったとか、インフルにかかってしまって…という先の見える延期理由とは違い、次にいつ結婚式ができるかわからない状況なので、延期してもみんな来てくれるかな…?と当人達は不安に思っています。

一度の延期では済まず、再延期もあり得る状況、かつ、一般的には年齢が上がれば上がるほど妊娠や子育てなどで欠席者が増えてしまうものなので、 いつになっても待ってくれるというのは例え嘘でもすごく嬉しいと思いました。

辛い決断だったね、すごくエネルギーを使ったと思うから、まずはゆっくり休んでね

これは、twitterで知り合ったプレ花さんたちがかけてくれた言葉でした。延期することそのものだけが辛いわけではなく…直前まで挙式するつもりで力を入れて準備してきている中での延期の決断。延期にあたってお金のことなど本当に色々なことを考えなければならないこと。延期しても無事に挙げられるまでずっと不安を抱えなければならないこと。招待状など再度結婚式の準備をしなければならないことなどなど、ここまでも、これからもすごくエネルギーを使うという背景を知っている同じ当事者の花嫁さんの言葉は本当に心に響きました。

次に挙げる時は2倍楽しい結婚式にしよう!

これは参列予定だった主賓の上司がかけてくれた言葉です。延期しても挙げられるかどうかの不安は残ってしまう言葉ですが、私達夫婦だけで結婚式をつくっているのではなく、参列者も楽しい結婚式を作ろうとしてくれているんだな。という想いが伝わってすごく前向きになれました。

この言葉で、せっかくあと1年時間ができたんだし、もっと楽しめる演出とかを考えてもいいのかなぁなんて思えるくらいエネルギーをもらえました。この言葉単体というよりは、コミュニケーションを取るたびに気にかけてくれた姿もあって、もう一度みんなのために頑張ろうかなって思えました。

人を選ぶと思った言葉

無事に挙げられた時はより思い出が強くなるよ

これは東日本大震災の後、計画停電期間に挙式をした同僚がかけてくれた言葉でした。当日まで挙式できるかわからなかったという話なので、緊迫感だけで言えば私達より強かったはずです。 延期の決断をする前だったので、延期した事実を踏まえた言葉ではないのですが、そんな困難を乗り越えて挙式をした方からの言葉はとても勇気がもらえました。参列予定のゲストで、かなり状況が悪くなっていたにも関わらず本当に楽しみにしている様子が伝わってきたこともあってとても前向きな気持ちになれました。

一方で、延期決定後にゲストでもなく、それほど接点が無い方から言われたときは、「いやいや、延期したといっても、その日に挙げられるかどうかまだわかならいから…」と思ってしまいました。これは、タイミングや関係性が問われる言葉だな。と感じました。

次挙げる時までにブラッシュアップできるよ!

本人が言う言葉であって、他人から言われる言葉ではないのでは…?と個人的には思いました。私達には10カ月もの準備期間があって、美大卒の私が制作物を作っているので、これ以上クオリティーアップってなかなかできるものでもないのでは…。と思いました。

一方で、制作物の相談に乗ってくれた友達や同じ思いをしたプレ花さんから言われたときは「よし、また一緒に制作も筋トレも頑張ろう!」と前向きに思えたので、これは誰に言われるかで受け取る印象が違うな。と感じました。

かけられて傷ついた言葉

延期したほうがよかったよね

ゲスト目線だとホッとしてこの言葉が出てくるのかもしれませんが、延期自体はどちらかと言えばバッドニュースかと…。延期がゲストの安全を考えると最善なのは十分にわかっていても、親族の寿命や多額のキャンセル料を考えると、延期はそう簡単に決断できないことなのです…。

出欠確認などをしていても思ったことですが、結婚式を飲み会くらいのノリで考えている人が意外と多く…未婚の方には結婚式の準備の大変さやかかるお金がわからなかったのかもしれないです。

偉いね/英断だね/立派だね

別に私が人間的に優れているからこの決断ができたわけではないのです。たまたま運よく延期を選ぶことができる状況にあったというだけのことです。

この状況下でも、本人や家族の病気、経済的事情などで決行せざるを得ない方も当然います。延期や中止が偉いということになってしまうと、その方々が悪いとか不謹慎いうことになってしまいますが、花嫁姿を見られずに亡くなる家族がいて一生悔やむとかよりは家族婚で済ませてしまうのも一つの答えだと思います。実際に、結婚式を延期している間に家族が亡くなってしまったというケースは本当によく見かけます。結婚に不謹慎とか悪いということはなく、本人たちが幸せな結婚ならどんな結婚式でもめでたいものだと思います。例え、決行でもそれはそれで立派ですし、中止だとしても延期以上の大金を払うことになるので、それも本当に苦しくて大きな決断で勇気のなることだと思います。

コロナ禍における結婚式はどんな選択をしても辛いものなので、誰が偉いとか立派とか正しいとかはあまり言わない方がいいと感じました。

神様は乗り越えられる試練しか与えない

家族が無くなって悲しみにくれる人とかにも同じ言葉をかけることがあると思うのですが…この悲しみが試練だとすると幸せだった期間は一体何だったのだろうかと思ってしまいます。幸せが大きければ大きい分悲しみも大きくなるので、それなら結婚式を挙げようなんて考えなければよかった…。とか、この人と出会わなければよかった…。となってしまう可能性もあるので、神様意地悪過ぎないかしら?と思います。

こちらとしては、今は結婚式の延期程度の傷で済んでいますが、そうこうしているうちに祖父母が亡くなってしまうなど更なる悲しみが襲ってきたときは、試練だからと思って立ち向かう力さえ残っていないのではないかと思います。

子連れでの結婚式もいいじゃない

子連れ婚自体は可愛い演出もできますし、否定しません。本人がすでに妊娠していたり、子連れでもいいと思っているのであればあまりおかしなコメントではないかと思います。しかし、出産は命がけなので産後に結婚式を挙げるつもりで本人が亡くなってしまう可能性があることを十分に理解しておく必要があるかと思います。そう簡単に子供を産むことを捉えて欲しくないと思ってしまいます。

また、夫婦二人だけでも大変なのに、乳幼児がいながら挙式の準備をすることは相当大変なことです。このコメントをする人は独身もしくは妻に家のことを任せっぱなしのモラハラ男が多いので、そういった想像力が働かない人間なのだと周囲から思われます。

私の場合は、産後の体ではなく、若くて華奢な体でドレスを着たいと思っています。また、結婚式も挙げられていないのに出産で母子ともに死亡なんてことになってしまったら夫に何も遺すことができないので、結婚式だけでも済ませて綺麗な姿を残しておきたいと思っています。

まとめ

延期というと、延期した先なら無事に挙げられるようなイメージを持ってしまいがちですが、コロナ禍ではその予想が外れることも多々あります。2回3回と何回も延期を繰り返したのちにキャンセルせざるを得なくなってしまったり、無期延期となり希望が見えなくなってしまうケースも少なくありません。また、若いからといって必ずしも延期先まで元気に生きてるとは限らないので、早く挙げるに越したことはありませんよね。ご本人ではありませんが、延期している間に新郎新婦のご両親や親族が亡くなってしまって晴れ姿を見せられなかったというケースも少なくありません。

私自身も結婚式を挙げる直前からメンタル不調となり、挙式が終わった後にはうつ病で動けなくなってしまっていたので、もう少し延期後の日程が遅かったら挙げられなかったと思います。

明るい言葉をかけたくなるかもしれませんが、延期そのものがポジティブなことではなく、判断を先延ばしにしているだけなので延期について変にポジティブなコメントをもらうと関係性によっては傷つくこともありますので気をつけてください。

ちなみに、関係性の遠い人や私の挙式とは無関係の方(特に独身の方)がよく言うのが「キャンセルしないのか」ということなのですが、キャンセルには数百万円かかることやお金以外の複雑な事情が絡んでいることが多く、飲み会のように気軽にキャンセルできるものではありません

結婚式を簡単に延期・キャンセルできない理由
私達夫婦は2020年4月5日に予定されていた結婚式を新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して延期しました。命の安全が一番であることはもちろんなのですが、結婚式の延期は「コロナだからしょうがないね」と簡単にあきらめられたわけではありません。し...