父親がいない場合のバージンロードは誰と歩く?

結婚式

家族の形が多様化してきている近年では父親がいない家族というのも珍しくありません。死別・離婚・海外在住・毒親など様々な理由で結婚式に父親が参加しないということもあるでしょう。かくいう私も父親がDVをする毒親で、長いこと海外に住んでいたこともあり母子家庭同然の状態で結婚式に呼びませんでしたので、結婚式には少し工夫が必要でした。今回は父親不在の結婚式を執り行う場合、バージンロードを誰と歩くかという問題について体験談を交えて紹介したいと思います。

一般的なバージンロードの役割

バージンロードは花嫁の人生を表していると言われており、扉の位置が誕生で祭壇までの道がこれまでの人生となっています。扉の前で母親に最後の身支度であるベールダウンをしてもらい、バージンロードを父親と一歩一歩踏みしめながら歩き、祭壇の前で新郎とバトンタッチするという両親参加型が一般的なバージンロードのイメージかと思います。

しかしながら、バージンロードを父親と歩かなければならないというルールはなく、あくまでもパターンとして多いだけなのでバージンロードは誰と歩いても良いのです!「これまでの人生を支えてくれた人と歩く」と言われていますが、よく考えたら母親も支えてくれているはずですし、祖父母が子育てに深く関わってくれているということもあるので、父親だけが人生を支えてくれたと考えるのは変ですよね。父親が不在であるという理由だけで結婚式を諦める必要はありません。バージンロードはこれまでの人生を振り返り、未来への誓いをする場なので父親に限らず大切な人と歩くべきです

この記事では、父親不在の結婚式を挙げた私の体験とウェディングプランナーさんの提案を交えて、父親以外とバージンロードを歩くパターンと注意点をまとめました。

父親以外とバージンロードを歩くアイディア

母親とバージンロードを歩く

母親も花嫁の人生を支えてきた「親」なので、当然バージンロードを一緒に歩けますしエスコート役としても比較的違和感が少ない人物です。性別こそ違えど、これまでの人生を一緒に振り返るのにふさわしいでしょう。私自身もバージンロードは母親と歩いて入場しました。

母親と二人で扉から入場し、扉の前でベールダウンをして祭壇の前まで歩きました。やってみて思いましたが、父親と母親の両方が参加するパターンよりも登場人物が少なく入り口で行う動作が少なくなるので非常にスムーズだったなと感じました。

注意点

エスコートする人が男性の場合は腕を組んで入場するのですが、エスコートする人が女性の場合はエスコート者の手のひらに手を重ねるような形で入場します。また、エスコートする人が男性の場合は花嫁の右側を歩くのに対して、女性の場合は花嫁の左側を歩きます。式場でのリハーサルなどで指導してもらえるとは思うのですが、若干儀式での動作が違うので事前に把握しておくと戸惑いが少なくなるかと思います。

エスコート役が女性の場合は手を重ねる

これは父親以外の人と歩く場合全てに共通して言えることですが、母親とバージンロードを歩くと決めた時は義理の両親にも必ず伝えましょう。結婚式に父親がいない時点で別の人と歩くことは理解していると思いますが、本番までわからないと不安になってしまいますし、エスコートする人は他の親族とは別行動になるので事前に伝えておくことをおすすめします。また、親しい友達がいればある程度事前に仄めかしておくと良いかもしれません。私の場合は、子供の頃から父の問題について友達に話していたので母しかいなくても驚かれたりしませんでしたが、何も知らない状態だとせっかくのお祝いの場なのに離婚や死別したのかなど事実と異なる解釈をされてしまい混乱や変な噂を生みかねないので、ある程度事情を知っておいてもらっていた方が良いかと思います。

実際に、事情を深く知らなかった友達は父が海外赴任していてコロナ禍で帰国できなかったと解釈したようでした。ネガティブな解釈ではなかったものの、人によっては勘違いしてしまうこともあるので注意しておきましょう。

祖父母とバージンロードを歩く

祖父母と同居していたり、おじいちゃん・おばあちゃんっ子だったりして祖父と歩きたいという方もいらっしゃるかと思います。祖父の場合は父親と同じく男性なので、儀式に変則的な部分がなく結婚式としてはやりやすいかと思います。祖母の場合は前述した母親と歩く場合と同じような形になります。

注意点

祖父母の年齢や体調によってはエスコートが難しいこともあるかと思います。例えば、杖をついていたり車椅子だったりと花嫁を先導するという従来の姿勢を取れないことがあります。車椅子であれば花嫁が押して入場するなど工夫できる部分もありますので、祖父母と歩く場合には早めにプランナーさんに相談しておくと良いでしょう。

また、あまり考えたくないことではありますが、どうしても高齢者は病気になったり亡くなったりする可能性が若い人よりも高いです。昨今のコロナの情勢も考えると、万が一参加できなくなってしまった場合の予備のプランも立ててプランナーさんに伝えておくことをオススメします。私自身も披露宴で祖父母の出番を作っていたのですが、コロナ禍により参加できなくなってしまったのでプランを変更せざるを得ませんでした。

伯父・叔父とバージンロードを歩く

親族の考えなどの事情で「男性と入場するべき」などと言われて親族の男性の中から候補を検討したり、伯父(叔父)と親しくて一緒に歩くことを検討することもあるかと思います。伯父(叔父)の場合は父親と同世代であることが多く、同じ男性なので一般的な結婚式と近い状態にすることができます。

注意点

前述したように、父親と同世代であることが多いので事情をよく知らない人から本当の父親だと思われる可能性があります。ゲストから本当の父親として挨拶をされてしまったりする可能性がありますので、お願いする伯父(叔父)さんにはその場合の対応を相談しておくとスムーズかと思います。

少し状況が違いますが、私の両親の結婚式には父の母が結婚式に参加せず、代理で父の叔母が参加したのですが苗字が同じだったこともありゲストから本当の母親だと思われて「お前って母ちゃんそっくりだな」とコメントをもらったものの、事情を説明する時間的余裕がなくて誤魔化してしまったというエピソードがあります。世代や性別が同じだと勘違いを生みやすくなるので注意が必要です。

そもそも伯父(叔父)に子供がいて、特にその子供が未婚の娘である場合は一緒に歩くことを断られてしまうケースもあります。親戚とはいえ、よその家の娘なので実の娘の結婚式よりも先に他の女性のエスコート役をするわけにはいかないと思っている人も少なくありません。伯父(叔父)にエスコート役をお願いする場合はその辺りの事情を考慮しつつ、あまり期待せずにお願いしたほうが良いかもしれません。

新郎新婦二人でバージンロードを歩く

一般的な結婚式では新郎が先に入場して花嫁を待つという流れになりますが、二人で同時に入場することも可能です。親族の中からエスコート役を選びづらい場合や変な勘違いをされたくない場合に有効です。また、昨今のコロナ禍ではたとえ親族であっても当日まで参加できるかわからないですので、確実に参加するパートナーと入場することでプラン変更などのストレスを避けることができます。

注意点

エスコート役がいる場合と挙式の流れが変わる部分が多くなるので、式場側の準備も必要ですし自分達も手順を覚える必要があります。早めにプランナーさんに相談をしてあらかじめ流れを知っておくとスムーズです。挙式の流れというのは意外と細かく、ベールダウンを入場前にするのか入場してから扉の前でするのかであったり決めることや覚えることが多いので早い段階で理解しておいた方が当日のミスが減ったり緊張のもとを減らすことができます。

まとめ

まだまだ結婚式のエスコート役といえば父親というイメージが強い世の中ですが、父親でなければならないというルールは全くありません。父親がいないからという理由で結婚式を諦める必要はありませんので、花嫁自身が思う大切な人とバージンロードを歩いて素敵な結婚式にしていただければと思います。私のように父親不在でも幸せな結婚式をあげている先人はたくさんいますので、どうか自信を持って結婚式を迎えていただけたら嬉しいです。