共働きの夕飯づくり 夫婦でうまく分担するには?

家事

共働きだと、多かれ少なかれ収入や労働時間に差はあるものの家事は夫婦二人でやりたいもの。中でも料理は作るものによって毎回違うスキルが必要で習得に時間がかかるものです。一人暮らしをしていた男性でも、洗濯や掃除は必要に迫られてやっていたが料理はしたことがないなんて人も珍しくありません。そんな男性と結婚すると苦労するのがご飯作り。共働きだと平日は夕飯しか作らないことも多いかと思うので、私たち夫婦がどう分担しているか紹介したいと思います。

私のステータス

料理スキル:幼稚園生の頃から包丁を握り、小学校3年生ごろには一人で一通り作れるレベルに。美大を出ていて物を作ったりすることが得意で手先も器用。
職業:広告代理店のコンサルタント
就業時間:特に出退勤の時間は決まっていないが、通勤を含めて概ね9:00-20:00だが、繁忙期は23時帰宅
通勤:電車で往復2時間

旦那さんのステータス

料理スキル:作る意欲はあまりないが、一人暮らし暦9年で一時期はお弁当を作っていたそう。炒め物など単純な料理なら作れるが、料理の基礎知識が絶望的なので、横で見ていないと調理方法が間違っていたり、ものすごい味付けの料理が出来上がってしまうこともある。
職業:建設業の設計士&現場監督
就業時間:8:30-17:30とキッチリだが、出張で長期不在がち
通勤:徒歩で往復1時間弱

・・・と、料理スキルは私に偏っているものの、勤務時間や年収は私の方が多くなっています。年収が低いほうが家事をするべきとは全く思いませんが、先に帰っているのに何もできていない状態だと私の帰宅後に一から作ることになってしまい、お互いの寝る時間が遅くなったり可処分時間が減ってしまうという悩みがありました。

改善前の夕飯作り

私たち夫婦は、交際期間中から一緒に住んでいる期間がとても長く、交際2ヶ月目には私の家に彼が居候している状態からのスタートでした。(家がなかったとか転がり込んできたというわけではなく、出張先が私の家の近くだったという理由からです)その後、交際5ヶ月目からの同棲期間を経て交際1年ちょうどで結婚します。
今でこそ夫婦で家事を半分半分でできていますが、最初からそうだったわけではなかったのでその過程と改善後の家事についてご紹介します。

居候時代

彼(現在の旦那さん)は出張の多い仕事なのですが、たまたま交際直後の出張先が私の家の近所だったことから私の家に泊まりながら出張先に通勤するようになりました。一人暮らしをしてれば、誰しも一度くらいは家に彼氏を泊めたことがあるかと思いますが、それが長期間続いているイメージです。
この時は、当然家は私のものですし交際を始めたばかりなので食事の準備をはじめとした家事はほぼ100%私で担っていました。逆にいえば、彼の家に泊まりに行った時は彼の家の家事は彼が100%やる。つまり、家主が全てまかなうというルールにしていました。正直ハードでしたが、交際を始めたばかりの人に冷蔵庫の中身や洗濯する下着なんかを色々いじられたりしたくなかったのでそうしていました。でも、とても優しい人だったので買い物に一緒に行ってくれたり、自分の分の洗濯をしたりしてくれていました。

夕飯作りについては、冷蔵庫のキャパの問題もあって仕事帰りに私が買い出しをして帰宅してから炊飯からご飯作り、食器洗いまで全て行っていました。一人暮らしをしていた頃は、多めに作って2-3食に分けて食べていたので、自炊と言っても毎日料理をしているわけではなかったのですが、やはり男性はよく食べるので毎日料理をするようになり一人暮らしより大変という日々を過ごしていました・・・。この期間は約3ヶ月ありました。

この居候期間中に同棲する話が出てきたので、同棲を始めたら食器洗いしてもらったり掃除は半々にするからねーと伝えたり、料理をしているところを一緒に見てもらうなど、じわじわ刷り込みをしていきました。
同時に、さりげなく私のほうが年収が高く、結婚してもバリキャリを辞める気もない雰囲気も出しておきました。(私と結婚したいなら家事は半々よ・・・と)

同棲時代

とても優しくていい人である彼であっても、約束通り家事を半々に・・・というのはそう簡単にはいきませんでした 笑
食器洗いだけは「居候期間に約束したでしょ?」と言うと渋々やってくれましたが、食事の準備は一切してくれず、帰宅後に一から料理をする日々が初期は続いていました。それでも、食器を洗ってくれる時間の分は自分の時間が使えるようになって状況は改善していました。

掃除も同様で、やる気が全くないわけではないようでしたが、起きるのが遅いので彼が起きる頃には全ての家事が終わっているというような状態でした。

改善後の夕飯作り

改善のきっかけ

どうにかして夕飯作りに参加させたかった私は誰でもできるルーティンの部分だけでも任せようと思いました。
具体的には、私が帰宅するまでの時間にご飯を炊いてもらうことにしました。職場から彼にLINEして家についたらご飯を炊いておいて欲しいと伝えたところ、ちょうど帰宅した頃に炊けていて時短になりました。それまでは、何時に帰宅できるかわからないことから、帰宅後にご飯を炊いていたため、メインディッシュが出来上がってもご飯を炊けるのを待つ時間が発生してしまったりと無駄が多い状態だったのですが、ご飯が炊けていることでお互いにメリットがあるね。という話をして、夕方ごろにご飯を炊くかどうか連絡を取り合うようになり、彼が炊飯のスキルを身につけてくれました。

少しづつできることを増やしていく

食品の解凍

帰宅時にご飯が炊けていることで時短ができるようになり、お互いに使える時間が増えましたが、もう一つ問題がありました。それは、帰宅時にメインディッシュとなる食材が凍ったままであることがあったことです。

共働きで忙しいため、平日に買い物しなくてすむように休日に買い溜めしたところまではよかったものの、確実にご飯が作れる時間に帰れるとも限らず予定した日に使えるかわからないため、必然的に食材はほぼ全て冷凍することになってしまっていました。そのため、ご飯が炊けていたとしても、凍った食品をとかす時間の無駄がありました。ご飯を炊くかどうか確認する際に、今日のメインディッシュを伝えて解凍してもらうようにしたことでさらに効率がよくなりました。

サラダ・味噌汁作り

我が家では、パスタやグラタンなど出ない限り、毎日サラダと味噌汁(たまには違う物を飲むことも)をつけています。なので、ご飯を炊くと伝えた日はメインディッシュの解凍・サラダ作り・味噌汁づくりまで合わせてやってもらうようにしました。サラダは基本的にはレタス・トマト・きゅうりの3点セットとすることで簡略化しました。何か追加する場合は私が帰ってきてからチーズやハムなどを乗せますが、基本的には3点だけでOKというルールにしました。味噌汁も、フリーズドライの具を使って、ほぼインスタントの状態にして簡略化しました。ちょっと寂しい気がするときもありますが、具材が無くなったら違う具を買ってきて少し変化を楽しむようにしました。

ここまで彼に作っておいてもらえていると、あとは私の帰宅後にメインディッシュを作れば良いので効率がよく、温かいうちに食べられてお互いに幸せです。

メインディッシュ作りを一緒に見る

帰宅時間のタイミングとして、ちょうどサラダを作っているあたりで私が帰宅するので、そのままメインディッシュ作りを一緒に見てもらうようにしています。料理をやったことがほとんどない人にいきなり作らせるのは難しいので、私が作るところを一緒に見てもらいながら、調味料の分量を見てもらったり、時には「この料理には何が必要でしょうかクイズ」をしたりして学習してもらいます。

普段食べている料理でも、何が入っているかしっかりと理解できていないことも多く、フレンチトーストに小麦粉が必要と思っていたり・・・鳥の唐揚げ作りにパン粉が必要だと思っていたり・・・ハンバーグに卵が必要なことを知らなかったり・・・と勘違いしていることもあります。おひたしと煮物の違いなんかもわかっていなくて、ほうれん草がぐちゃぐちゃに・・・なんてこともあるので、毎回クイズ形式で勉強してもらっています。パスタを茹でる時に塩と油を少し入れるなどの小技も見ることで学んでくれます。

料理に全参加してもらうことも

料理を全部任せるなんて無理・・・と思ってしまいがちですが、本当にそうでしょうか?たこ焼きやお鍋なんかは友達の家で作ったことがあったり、居酒屋のメニューとして出てくるので絶対一度は作ったことがあるはずです。BBQしたことない人もおそらくいないはずです。週に1度は「家族全員参加の日」と決めて参加してもらうのもアリです。たこ焼き・お好み焼き・焼肉・鍋・しゃぶしゃぶ・・・と考えていくと結構レパートリーあるものです。料理らしい料理には思えないかもしれませんが、ここは「作る楽しみを知ってもらう」ことが大事と割り切ることも肝要です。

片付けも半々に

同棲し始めた当初、料理を私が。食器洗いを彼が。と完全に家事ごとに分けて分担していましたが、料理を半々にしてからは食器洗いも半々にすることにしました。
とは言っても、狭くて二人同時に洗うのは無理なので、一方が洗って一方が拭いてしまうという分担です。こうした方が、食器をしまう場所を間違えてしまいお互いにストレスが溜まってしまうことを防げますし、会話をする時間も多くなるので二人で過ごしている時間を長く感じられるというメリットがありました。機械的な作業なので、作業しながら冷蔵庫の中身を見たりしながら次の日の献立について二人で考えたり週末の予定について話し合ったりできるようになります。

仕事も同じですが、部分的な仕事だけお願いしてしまうと前後の作業とのつながりがわからないので不十分な仕上がりになってしまうことがあります。例えば、食器洗いだけをお願いしてしまうと文字通り食器だけを洗ってしまい、焼き魚を食べたはずなのに料理する時に使った魚の網に気づかず洗われていない・・・シンクの生ゴミが溜まっていることが認識できずにそのまま放置されてしまう・・・という現象がおきます。ちょっと考えればわかることではあるのですが、料理をしない人にはわからないこともあるので「料理」「食器洗い」と作業で分けるのではなく「食事」というシーンとして全て一緒にやることで学習できます。

共働きの夕飯作りのポイント

休日

休日は「二人で」一週間分の献立を考えます。二人で考えることで食事に対してお互いに当事者意識を持つことができますし、好みや栄養バランスが偏っていないか俯瞰して考えることができます。この時に、どの料理を作るのにどんな材料が必要か調味料やスパイスなど細かい部分も確認しながら買い物リストを作ります。そうすることで、お肉や野菜などわかりやすい買い物だけでなく、調味料の残量やそれぞれの賞味期限にも頭が回るようになります。

食材の買い出しも「二人で」行います。あらかじめ献立を考えておいても、売っていなかったり別のものが安い場合はその場で献立を変える必要があるかと思うので、その習慣も一緒に身に着けられるようにします。

平日

ランチと被らないように前日にその日何を食べる予定か会話しておきます。確実に夕飯までに帰れそうであれば、その場で炊飯・サラダ・味噌汁(必要があれば食品の解凍も)の3点セットを依頼します。難しそうであれば何時までに判断するか伝えて、その時に3点セットを依頼します。

帰宅してからメインディッシュを一緒に仕上げれば完成です!
焼き魚などお願いできそうなものであれば依頼してしまっても良いですし、一緒に協力してもらえそうな料理であれば一部参加してもらうと料理スキルが上がってくるのでより良いです。

まとめ

男女共に家庭科を習い始めてかなりの年数が経ちますが、それでも料理が一人前にできる男性や男性も料理ができなければならないという意識がしっかりとある人は、まだまだ今の時代は限られています。ですので、大切なのは少しづつできることを増やしてもらうことです。よく見る夫婦の家事分担だと、家事ごとに人を分けている例が多いですが、料理に関してはどちらかに完全に任せるのではなく細かい作業ことに分担して二人で完成させていった方がお互いの理解につながりますし、万が一どちらかが体調不良などでできない状態になったとしても肩代わりすることができます。

仕事と同じで、部署や担当者で完全に仕事を分けてしまうと担当者不在の時に自分の仕事も進まずどうにもならなくなってしまいます。自分が担当する作業だけで完結しているわけではなく、一連の仕事の流れの一部であることへの理解や他の担当者がしている仕事の方法も理解しておいた方が、いざというときに自分も楽なことは仕事だけでなく家事も同じであると教えて育てていくと良いかもしれません。